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歯根端切除手術について
歯の根の先に膿がたまり治療が必要になった場合、レントゲンや各種検査を精密に行い
患者さんの症状・状態に合わせて、治療方法の選択肢を検討します。
通常は
①再根管治療 (感染根管治療)
②対処療法・経過観察(症状+の時に抗生剤処方、定期的な病状チェック)
③抜歯 といった治療選択があります。
歯根端切除手術とは、根管治療を続けても治らない場合や、根管が閉鎖している・曲がっている・金属土台の除去が困難で根管治療が出来ない場合などに、病変に対して外科的アプローチにて歯を残すための方法です。
専門的にこの治療を多数行っている、立川病院歯科口腔外科(前部長:笠崎安則先生 部長:木津英樹先生 医長:臼田慎先生)にて、当院歯科医師が研修させて頂いてます。
笠崎先生は以前短期間(2019-2020)ではありましたが、当院でも患者さんの手術を行っていて、ご指導頂いておりました。
この歯根端切除手術では
✫ 歯科デンタルレントゲン、歯周検査などの検査を確実に行い、原因がどこか精密に診断すること
→手術の適応症であるかどうかの判断・診断
歯根先端の病変であること、歯根に亀裂がないこと、進行した歯周病(病変とポケットとの交通)の有無 など
✫ 術中、歯根の状態を注意深く確認する。亀裂はないか?歯質の状態はどうか?根管充填の状態はどうか?
→病態の原因はどこにあるか、感染源の診断
✫ 緊密な逆根管充填を行うこと スーパーボンド(接着性セメント)
といった点が非常に重要です。
歯を残せる可能性がある治療ではありますが
手術治療になりますので、手術適応外のケースがあるということ
手術のリスクや再発のリスクを患者さんに十分理解して頂く事も大切です。
手術適応外のケース
1. 歯根に広範囲の亀裂や歯根破折がある場合
2. 歯根に広範囲の感染歯質がある場合
3. 重症の歯周炎がある場合
手術のリスク
●痛みや腫れ ●出血 ●内出血 ●しびれ感(知覚の麻痺) ●感染 ●上顎洞炎 など
再発リスク
●歯根亀裂 ●歯根そのものの腐敗(除去困難な感染歯質) ●病変-歯周ポケットの交通 など
笠崎先生より転載許可
また、再発を繰り返す、複数歯に及ぶ大きな病変、神経や上顎洞に及ぶ病変などの難症例は
立川病院歯科口腔外科へ紹介・連携して治療にあたります。
当院では、精密検査やカウンセリングを行い、現在の病状やリスクなど説明し、
患者さんのご理解・了承同意を得た上で、歯根端切除手術を行っています。
根の先の膿が治療しても治らない、嚢胞と言われ抜歯と言われた場合でも、
歯を残せる可能性があります。
お悩みの患者様は、いつでもご相談下さい。
笠崎先生ホームページです。「歯根端切除術の相談コーナー」 https://shikontan.hp-ez.com/
歯根端切除手術・再植術での数多くの症例や臨床経験について
非常に詳しく記載されています。是非一度ご覧下さい。